本格的に木工DIYを目指すには丸ノコは必須の工具です。
そして、まっすぐ木材を切るには丸ノコガイドや丸ノコ定規が必要です。
そう、必須オブ必須!
丸ノコガイドにたどり着いたのなら、もう丸ノコを使いこなす扉を開けたようなものです。
まっすぐ切れれば、あとはアイデア次第で思い思いのものを作れますね。
丸ノコガイドには市販のものと自作のものがあります。
市販のガイドは金属でできているものが多く、精度も高いです。
一方、DIYerは自分の作った丸ノコガイドを好みます。
ただDIY好きだからって木でなんでもかんでも自分で作りたいから使っているわけじゃないんです。
そこにはカットを簡単にする工夫がなされています。
市販のものでなく自作だからこそのメリット、ここをお話しながら、作り方をお伝えします。
こちらで紹介する型は丸ノコ定規を固定するための指の「引っかけ」を作っています。
板を張り合わせたものよりひと手間はありますが、押さえが安定しやすく使い勝手がいいですよ。
それでは、まいりましょう。
丸ノコガイドと丸ノコ定規の違い
関連記事
▼丸ノコでまっすぐ切れない悩みの方はこちら▼
丸ノコでまっすぐ切るコツ|垂直に切れない原因|すぐ使える簡易ガイド
丸ノコは刃のある所で切れる
↑当たり前のことを書いていますね。
でもこれ、市販品のガイドと自作との大きな違いなんです。
写真のようにガイドが沿うベース面から刃(チップソー)までは幅があります。
だいたい90㎜前後なのですが、これは各メーカーや機種によって幅が違ってきます。
(私の使っているマキタの5735Cは91㎜でした)
つまり、市販のガイドはベース側面を沿わせるために、切れる位置は約90㎜差し引いて計算することになります。
私は市販品のガイドを使っているときに、この差し引きに何度も惑わされました。
91㎜長くなったりして二度手間だったり、計算間違いをして短く切ったり・・・
自作の丸ノコ定規は「ここで切れる」という線をわかりやすくしてくれます。
自作のものだと自分の丸ノコしか使わないので、自分専用の丸のこ定規として使うことができます。
使用頻度の多い45㎝と長いものを切る時用の90㎝を作っておくといいですよ。
1mの市販品を買おうとすると5,000~10,000円以上はしますので、コストも抑えられます。
市販品と自作のメリット・デメリット
市販のガイド
メリット
・直線や直角の精度が高い
・金属製のものは落としても変形が少ない
デメリット
・オフセット分を計算するのが手間
自作のガイド
メリット
・切断線を切るのが容易
・コストがかからない
・自分専用の「使いやすい」をカスタマイズできる
デメリット
・90°直角を出すのには精巧さが求められる
さらっと書いてますが、使いやすい自分用の丸ノコ定規を作れる、これ大事なことです。
丸ノコ定規はコレといった型はなく、使いやすいカタチで作れる自分の治具であればいいのです。
※治具:工具のお助けグッズみたいなものです。
丸ノコ定規の作り方
それでは丸ノコ定規の作り方を説明していきます。
今回はコンパクトなものから多少の大きさのものまで対応しやすい45㎝定規を例に作っていきます。
冒頭で紹介したように、固定用の引っかけを作っています。
下に今回使った材料を記載しました。
必ずしもこのサイズでないと、ではないのでその都度変更してください。
用意するもの
・基本部分となる部材・
ベニヤ板厚さ5.5㎜、450×300㎜
・固定用の引っかけ部材・
30㎜×10㎜×450㎜ 2本
・突き当てにする部材・
12㎜×18㎜×200㎜程
↑厳密でなくなんかそこらへんの角材でいいです
・木材接着するための部材・
木工用ボンド
長めの角材
(※写真で使っている定規と今回作成用した若干違います)
ベースになる板や引っかけになる木材はあまり高さがあると、丸ノコのモーター部分に干渉してしまいます。
押さえとなる左手を置いてなお、カットの進行のジャマにならない程度の高さを意識しましょう。
また、厚さ2㎜のベニヤ板だとベースを沿わせる部分が少なく、乗り上げるのも心配です。
だいたい4㎜~10㎜の間がいいです。
丸ノコ定規の作り方
ベース側面から刃までの距離を測ります。
ここでは仮に91㎜とします。
新品のベニヤ板を用意します。
製材された辺を使い、ここはまっすぐという線が重要になってきます。
次にベニヤを10㎝程でカットします。
ここでのカットはまっすぐでなくても構いません。
あまり神経質にならなくても大丈夫です。
今から私が失敗のお手本をお見せします。笑)
試しにフリーハンドで切ったら見事に曲がって切ってしまいました。
ほらこんなに隙間から温かな光が漏れます...
こんな感じで曲がってカットした線は使わない側に行くので、定規の完成度には影響ありません。
カットした10㎝幅の板は新品側の方にわかりやすいように印をつけておくといいでしょう。
これから裏返してボンドを塗るので、本来の直線がどっちか混乱してしまいます。
ベースになる板の右側10㎝程(先ほどの9.1㎜+1cmほど)あけて、木工用のボンドで貼ります。
ボンドの量が多すぎました。はみ出たら拭き取りましょう。
写真のように下の辺に角材を置いて押さえつけるようにスライドさせていくと板の縦方向が揃います。
そして乾くまで放置。
クランプがあれば押さえておきましょう。
なくても本などで代用できます。
ベース側面を当てて余分なベース板分をカットしていきます。
こうすることでベース板はこれ以上カットされることがないので、残った板が切断線を表しています。
一旦これで定規の基本となる部分は完成です。
固定用の引っかけと突き当てを作る
厚さ低めの木材を縦方向に2本付けていきます。
あまり高いと丸ノコのモーター部に当たってしまうので、低めのものがいいです。
私は30㎜×10㎜の高さ1cmのものを使用しました。
それぞれの間隔は自分の手で確かめながら持ちやすいように調節しましょう。
ただの2枚板の状態より使いやすくなります。
さらに木材を直角に簡単に切れるようにするに「突き当て」を作ります。
横幅にカットした角材をボンドで貼ります。
出来た丸ノコ定規の下辺にできるだけ合わせて木工用ボンドで貼ります。
写真のように木材の端材の壁を使って隙間ができないようにスライドさせていくとうまくいきます。
ボンドがまだ乾いてないので、貼った後にでも位置を調節できます。
右下の写真のように指でなぞって段差がないようにして確認すると正確に合わせれます。
ボンドが乾くまで待って完成です。
実際に使ってみる
それでは実際に使っていきましょう。
墨線を付けます。
材料に突き当てを押し当て、
定規の切断線を当てて切るだけ。
簡単ですね!
直角に切れていたら突き当てもうまく付けられています。
長尺物の90㎝定規には一工夫
長いものを切る時には固定も大変です。
そこで定規にビスを打ち込み、固定の補助をさせます。
ビスを打つといっても、ネジの先端がだいたい1㎜出る程度しておきます。
材料にはスパイクのように刺さり、少しは傷つくでしょうけど気になるほどではありません。
定規と固定の部材から1㎜程度のビスが最適です。
私の作った定規の場合、5.5+5.5+1.5=12.5㎜、
ビスの長さが13㎜程度のものを打ちました。
少し刺さっているだけでだいぶ作業が楽になりますよ。
長尺物用の90㎝定規には直角を出す突き当ては付けません。
180㎝のコンパネを切る時には(2回にわけます)突き当てが邪魔になることもあります。
まとめ
材料の固定をしやすい丸ノコ定規の作り方をお伝えしてきました。
市販の丸ノコガイドは丈夫で信頼のある精度ですが、丸ノコ定規も扱いやすさでは負けていません。
私はガイドも定規も使い分けていますが、やっぱり効率で言うと丸ノコ定規の方が楽です。
必要に応じてカスタマイズすることもできます。
自分で作ったものなので愛着も湧きますね。
丸ノコガイドはまっすぐ切ることでキックバックを防ぐ2重のメリットがあります。
固定して扱いやすくすることで、丸ノコの操作だけに集中できます。
持ちやすい丸ノコ定規を使って危険を防ぎ、快適にモノづくりをしていきましょう。
コメント