もっとまっすぐ木材を切りたいっ!
ノコギリは疲れるっ!
そんな想いで、DIYerはさらなる高みを目指して丸ノコを手にします。
私もそうでした。ノコギリでは自分の技量に限界を感じるです。
時間はかかるし、まっすぐ切ったつもりでも深さ(奥行き?)で歪んでしまっていたり…
机や棚などを本格的に作りたいDIYerにとって丸ノコは持っておきたい道具です。
真っすぐ木材を切れますし、ギコギコやらずにギュイーンと切れるのでスピードアップにもなります。
ホームセンターでのカットサービスもありますが、自分のタイミングでいつでも気軽に作業できる方がいいですよね。
一方、電動の切断工具ですし、取り扱い中での事故も多く聞かれ、危険な面もあります。
あなたも聞いたことがあると思います「丸ノコは危ない」と。
しかし、丸ノコの使い方を正しく理解していれば、危険を回避して快適に丸ノコを使うことができます。
丸ノコは決して難しい工具ではありません。
大学を出ていない私でも扱えます(笑)
丸ノコの基本的な使い方を知り、安全に配慮したうえでカッコよく切れるようになりましょう。
まっすぐ切るには丸ノコ定規(ガイド・治具)を使おう
私は丸ノコをゲットしてから弾む思いで木材を切りました。
期待に満ちたはやる想いをこめて、握るトリガーは一気にフルスロットル!
「ギュイーンッ!」
ワクワクして確認
「あれ?」
・・・
全然まっすぐ切れなかったんです。
遠目では直線、でもまっすぐな木材を当てるとわかります。
おれ、才能ないのかも…と本気でヘコみました。
それもそのはず、使い方が悪かったのです。
丸ノコはガイドも使って1セット
丸ノコ本体の切断マークに沿って切ろうとしても、なかなかまっすぐ切れません。
丸ノコでまっすぐ切るにはガイドが必要です。
本職の大工さんでも使っています。
ガイドを使うメリット
ガイドを使うことでまっすぐ切れるだけでなく、丸ノコを安全に使うことにつながります。
後述するキックバックを起こしにくくなるのです。
定規(ガイド)の使い方
種類はいくつかありますが、基本的にベースプレートの側面をガイドに沿わせることで、まっすぐ切断を可能にします。
定規(ガイド)の種類
三角定規・エルアングル
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角材切り用のコンパクトなものから1mのものもあります。
材料に当てて90°直角に切れるようになっています。
フリーアングル
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丸ノコ本体の角度調整(垂直面)とは別に、水平面に対して自在に角度をつけて切れます。
30㎝から1mのものまであります。
平行定規
丸ノコについてくる付属品です。長いものを切る時に便利です。
ベースに取り付けて木材に沿わせて使います。
当て木をビスでつけて長くすると精度が増します。
丸ノコガイドの自作
上記様々なガイドが市販で売られていますが、自作することもできます。
自作のメリットは切りたい線に直接ガイドを当てることで、切断線のままわかりやすく切ることができます。
長い物を切る時には、自作したものの方が安上がりです。
危険と言われる丸ノコを使いこなすために
危険と言われるのはある条件下でキックバックという現象が起こるためです。
中には指を切断した、太ももを切って出血多量で死亡したという事故も起こっています。
このように聞くと、丸ノコを扱うことは恐そうに見えますが、難しいものではありません。
上記のような事故は必ずしも、「ちゃんと使っていたのに事故が起こった」とは考えられません。
キックバックを理解して対策をしておけば、安全に使いこなせます。
キックバックにおいては、「私、失敗しないので」
私はキックバック起こしたことありません。
丸ノコを使う前にキックバックのことは必ず理解しておきましょう。
キックバックとは?
切断した木材が切り落とされたときに回転している刃に引っかかったり、挟まれると、強い反発力が生じます。
こんな時
刃がまっすぐ進んでない時
図の赤色が刃(チップソー)です。
曲線切りのように曲げて切ろうとすると木材が引っかかってキックバックを起こします。
刃が傾いた時
ベースプレートが左右に傾くとのこ刃も傾くのでキックバックを起こします。
材料が刃を挟んだ時
支えをせずに切った木材が落ちてきたときにノコ刃を挟みます。
他には、反っている材料を切ろうとする時も挟む危険があります。
刃の深さが出すぎているとき
のこ刃が適正に出ているときに比べて刃に当たる角度が引っかかりやすくなります。
1秒に約83回転
丸ノコは一般的な機種は5,000回転/分のものが多いです。
ということは、1秒に約83回転しています。
刃が木材にひっかり、一気に止める反発力が生まれます。
回転力の変わらないまま、ただ一回の反発力
強力なモーターの力で回転しているこの力が急に止められる時の反発力は相当なものです。
丸ノコ本体が進行方向とは逆に「ガンッ!」と戻ってきます。
押さえつけてなければ飛んでくるのでしょうね。あぁ怖ろしや。
キックバックの対策
安定した場所で切断
まずは安定した場所で、半身に構えて、丸ノコの後ろに手や足を置かないことです。
安定し、かつ、危険に備えた体勢での心構え、体構えでいましょう。
まっすぐ切る
ベースが傾かないように押さえながら、進行方向にまっすぐ進めます。
材料の支え方
切っている時・切り終えた木材が引っかかったり、挟まれたりするのがキックバックの要因です。
このように材料を支えるとキックバックは起こりにくくなります。
・切断する材料が落ちてこないように当て板を入れます。
この時支えにする木材は高さを揃えまるために同じものを置きましょう。
・真横に支えの木材を渡す
木材は傷つきますが、切断専用の捨て板として使っていけます。
刃を出す深さを2~3mm程度にして、深すぎないようにしましょう。
最強!スタイロフォーム
断熱材で使うスタイロフォームを敷いて全面に支えを作ってしまえば落ちることはありません。
ペケ台といわれる作業台の上に敷くと安定して作業できます。
この方法が私のイチオシです。
使い続けるとこんな感じでいい味が出てきます。
私はスタイロフォーム30㎜を使用。
他に合板を敷いたり、発泡スチロールやスチレンボードでも代用できます。
ちなみに木材のカットや穴開けの際には、切りたい材料に密着させて木材を切るとケバも立ちにくく切り口がきれいになります。
この効果も得られます。
その他注意事項
トリガーをしっかり握っている
切っているときにはしっかりとハンドルを握っておきましょう。
軽い力で丸ノコを切り進める方はいないと思いますが、材料を押さえつけるのを意識して切っていきます。
丸ノコとは?
ここからは丸ノコに対する知識です。
DIY3種の神器、丸ノコも万能ではありません。
できること、できないことを知っておきましょう。
丸ノコの知識
モーターの力で切断
円形の刃(チップソーとも言います)を、モーターの力で高速で回転させて木材を切断する電動工具です。
ちなみに電気丸ノコ・電動丸ノコは一般的に丸ノコのことを指します。
電気丸ノコと電子丸ノコで区別されることがあります。
電子丸ノコは回転数を電子制御して自動でコントロールしてくれる機能です。
モーターに過剰な負荷がかからないようにしてくれています。
直線切りが得意
丸ノコのできることは直線切りのみです。
木材を横方向から直角に切断するのはもちろん、斜めにカットもできます。
木材を縦挽きにして、長い材を取ることもできます。
曲線切りは「ジグゾー」という工具を使います。
キックバックの項で触れましたが、丸ノコで曲げようとするとキックバックが起こります。
電源の種類
コンセントから電源を得るコード式と、バッテリー式のコードレスタイプがあります。
以前はバッテリー式はパワーが劣ると言われていましたが、最近はバッテリー式でもパワーは十分にあります。
バッテリー式の方が取り回しもよく、使いやすそうですが、お値段は高いです。
チップソー
種類は豊富
対象は木材だけかと思いきや、金属用・樹脂用・コンクリート用・レンガ用といったチップソーも存在します。
しかし上記素材は、また別の「グラインダー」に任せた方が無難です。
歯数の違いも
歯数52前後のものが一般的な丸ノコに標準装備されています。
歯数72前後のものもあり、造作用チップソーと呼ばれます。
細かい歯数のものは、家具を作る時などさらに切り口をきれいに仕上げる用途で使われます。
チップソーの外径を確認
チップソーの外径は自分の持つ機種に合わせてしっかりと確認しましょう。
外径165mmのものが各メーカーの主力機でラインナップも多いです。
と、チップソーについて書いてきましたが、はじめて丸ノコを持つのであれば、標準装備されているもので数年使い続けても持ちます。
丸ノコの種類
手持ち式の丸ノコ
私たちがイメージついているこのような一般的な丸ノコが、手持ち式の丸ノコです。
卓上丸ノコ
アームに固定された丸ノコを上から下ろすようにして切断する機械です。
卓上スライド丸ノコ
卓上丸ノコと似たような形状をしていますが、アームを前後にスライドして切断します。
卓上スライド丸ノコは、卓上丸ノコより幅の広い材料を切ることができます。
丸ノコスタンド
持っている丸ノコを専用のテーブルに固定して切断できるようにするテーブルです。
丸ノコのオプションキットのようなものです。
のこ刃は下から出るカタチになります。
丸ノコ盤・テーブルソー
上記丸ノコスタンドを一体化した本職向きの機械です。
だいたいの場合、台座の上に置いて使います。
憧れはありますが、なかなかのお値段がします。
使い方の手順
丸ノコは見た目からだいたい使い方はわかる方が多いでしょう。
でも、なんとなくテキトーに使っていたのでは思わぬ事故を招きかねません。
「こまけぇこたぁいいんだよ!
グッと持ってガーっとやりゃいいんじゃ!」
そう言わずに今一度ちゃんと安全確認や体の使い方を身につけておきましょう。
慣れてくると一連の流れをパパっと確認できるようになります。
電源をコンセントに挿してない状態で確認します。
バッテリー式なら念のためバッテリーは抜いておきましょう。
安全の確認
トリガーを保持するON保持ボタンが押されていないか確認します。
(機種によってはトリガーロックのボタンになっています)
チップソーにがたつきがないかを確認します。
交換が必要なら新しい刃に交換します。
交換の方法は後述にて記載しています。
刃の深さ調整
切りたい木材の厚みによって深さを調節します。
だいたい2~3㎜程度出ているのがいいです。
出過ぎていてもキックバックを起こしやすいので危険です。
刃の角度調整
角度調整のツマミで固定されているか確認します。
さしがねやスコヤなどで直角か確認、調整しましょう。
角度をつけたいときには調節します。
尚、角度をつけると通常時よりキックバックが起こりやすいので注意です。
安全カバーの確認
刃の周囲についている保護カバーは材を切り進めていくと勝手に上がります。
閉じていることと、ちゃんと動くかどうかの確認だけします。
ジャマだからと言って固定していると万が一の時に守ってくれません。
コードの位置を正す
有線の場合は進行方向に対して支障のないように後方へ流しておきます。
また、使用中にピンと張って引っかからないように余裕を持たせましょう。
動作後止まることを確認
電源を入れてトリガーを引き、離したらちゃんと止まるか確認します。
使い方の手順
準備・確認をしたら、いよいよ切っていきます。
切断線に切断マークを合わせる
切り込み線、治具の切りたい線にベースの切断マークを合わせます。
ガイドを使う場合には、必ずしもこの合わせが必要ではありません。
(のこ刃が墨線に合わさるハズですから)
無理のない体勢で
丸ノコの後方に立たないよう、丸ノコの進行方向の左側に体を流します。
切りたい材の固定をしながら切り進めていくのに無理のかかる体勢になりそうなら、木材をクランプで固定しましょう。
最高速度になってから切る
刃を材料に当てた状態で切り始めるとキックバックを起こします。
最高速度になってから切り進めます。
まっすぐゆっくりと
切断中はまっすぐにゆっくりを、を心がけます。
ベースプレートを押し付けるように切り進めて、斜めに傾けないようにします。
進行方向に押す力:下に押さえる力の目安は、
5:5程度で、3:7ぐらいのつもりでも構いません。
止めるときには静止する
材を切り終えたらそのままトリガーを離してのこ刃が止まるまで静止しておきましょう。
本体を持ち上げたくなりますが、余韻で回っている間も危険です。
私はこれをやって自作の丸ノコ定規を削ってしまいました。
丸ノコを使わないときは
そのまま本体を置かない
丸ノコを使わない時には置き台を作って置いておきましょう。
安全カバーがあるからといってそのまま置くのも機械によくありません。
ベース面との歪みが多少なりと狂いがでてくることに繋がります。
コンセントは抜いておく
基本的に使わない時にはコンセントを抜いておきます。
自分以外の人が不意に触る可能性もあります。
子供がいたら危険ですよね。
作業中の注意事項
使い方やまっすぐの技術的な話より体を守るための注意事項です。
丸ノコの操作は難しくはないですが、決してテキトーなカッコで作業せず、「丸ノコ、ナメたらいかんぜよ」って話です。
刃に巻き込まれないように注意する
髪型・服装に注意
髪の毛が長い・タオルを首にかける・袖口のボタン止め忘れなど、刃に巻き込まれると大変危険です。
軍手も使用しない
軍手も巻き込みの危険があります。
基本的に回転計の切断工具には軍手は危険です。
素手、もしくはフィットするタイプの手袋なら手に密着するので大丈夫です。
粉塵・木片に注意
目や気管を守るためにゴーグルやマスクをするといいです。
切り込み線を見ながらの切断は姿勢が悪い上に木粉が目に入りやすいです。
異音で異変に気付こう
切り始めて通常と違う変わった音がしたらすぐに止めましょう。
普段より切れないな、と思ったら刃の交換をしましょう。
丸ノコの替刃は1,000~3,000円ほどです。
ケガするよりはマシですよね。
刃(チップソー)の交換・外し方
丸ノコ初心者で最初の作業が刃の交換から入る方はいないと思いますが、
ヤフオクなどで中古の機種を買った場合、刃を見て状態が良くなかったら交換しましょう。
切れ味の低下は事故の発生にもつながります。
作業前に電源は抜いておく
誤動作防止のためにコンセントを抜いて作業します。
バッテリー式のものなら念ため外しておきましょう。
交換の仕方
チップソーの周辺にのこ刃を固定するロックボタンがあります。
ロックボタンを押しながらボルトを緩めます。
私の使っているマキタの5735Cは10㎜のボルトでした。
T型のボックスレンチが付属品で付いてきますので、それを使うといいでしょう。
フランジで挟まれていますので、フランジを外すと刃が取れます。
新しい刃を本体に書かれている矢印と同じ方向に刃の向きをセットします。
フランジがはまるようにボルトを締めて完了です。
動作の確認
まっすぐ歪みがないか確認します。
電源を入れて捨て板で試してみるといいでしょう。
初心者の私が丸ノコ使ってきた体験から
私は丸ノコを買うまでにいろいろ調べてキックバックの対策はしてきました。
幸いなことに一度もキックバックを起こさずに作業できています。
今はスタイロフォームを使っていますが、最初は端材を使っていました。
材料とは別に木材の量を少し余裕をもって用意するといいです。
材料ギリギリだと端材も用意できません。
カットの正確さにおいては、最初からうまく切れたわけではないですが、
何度か失敗をしてきましたが、今では思うようにズレもなく切れるようになりました。
ポイントは刃の厚みを考慮して切ることです。
まっすぐ危険なく切るためのおすすめは、
自作の丸ノコ定規でまっすぐ、
作業台においたスタイロフォームでキックバック防止です。
手持ち式の丸ノコの最高の時短の組み合わせだと思います。
本職の大工さんも使っています。
実践・失敗を繰り返すことで、丸ノコは確実に自分のDIYのレベルアップにつながります。
まとめ
せっかく木工DIYを本気参入しようと思うのであれば、丸ノコはあった方が断然便利です。
まずは基本を押さえて使いこなせるようになりましょう。
・キックバックを起こさないよう材料を支える
・ガイドは「まっすぐ切る」「キックバック対策」で一石二鳥
・無理のない姿勢で切る
これをわかっていれば、丸ノコは危ない道具ではありません。
効率アップで楽しくDIYの趣味が広がるといいですね。
ご紹介した丸ノコ
【マキタ】 165mm 電子マルノコ HS6303
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【マキタ】165mm充電式マルノコ HS630DRTX
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【マキタ】 充電式卓上マルノコ LS600DRG
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【マキタ】卓上スライド丸ノコ LS0611
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【マキタ】マルノコスタンド A-41349
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【マキタ】 丸ノコ盤 255mm 2703
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